改めて言うまでもなく、時代が大きく変化していることは確実であり、日々の生活においてこのような変化を大きく感じられていると考えます。TVではニュースの中でAIという言葉が出ない日は無いし、頻繁にAIに関する特集番組が組まれています。生活の中でAIという言葉に接しない日は、現在においては殆どないでしょう。
日々の研究に追われている研究者の方々にとり、AIの単語は聴いているが、自分には関係が無いと考えている方。AIの重要性は感じているが、自分の研究とどのように関係づけるかわからないと躊躇されている方。AIを取り入れたいし、より接触的にAIに取り組みたいが、AIの文献を見ると、様々な新規用語が出て、また考え方も化学・創薬とは全く異なり、アプローチが困難である。どのように切り込んで行くのかがわからない等の躊躇があるようです。
これらの状況は化学・創薬の研究分野に深く、広く存在することは私も強く感じております。私は、最新のAIに関する研究発表を化学・創薬関連研究分野の学会や研究会等でたびたび実施してきました。しかし、発表当日にポスター現場に来て私と討論しようとする研究者は殆どなく、演題を遠目に見ているだけです。若い研究者が時々討論に来ますが、個人の興味が中心で、研究室の業務との関係を探っているという話で、研究室の責任者に話してもあまり良い答えが無いとの話でした。
以上が、学会でのAI研究に関する私の肌感覚です。残念ですが、「AI時代」と言っても、化学・創薬研究分野ではこのような状況が現実です。
先の「情報時代」では、化学・創薬関連情報をコンピュータ上で扱う技術として、<u>化学情報学、ケモメトリックス</u>等の様々な技術の新規開発や展開が求められました。このように時代の基本技術を化学・創薬研究に適用するための様々な融合技術の展開が新たに必要となります。
歴史は繰り返します。今後の「<b><u>AI時代</b></u>」には、AI技術と化学・創薬技術の融合が必要であり、このような融合技術の展開が来るべき「AI時代」の化学・創薬研究の展開、更には新たな発展を実現する上で必要な技術となります。
「<b><u>AI時代</b></u>」の新たな化学・創薬研究は既に展開され、正に新たな「AI時代」の先駆け研究として普及しています。ノーベル化学賞に輝いたアルファフォールド2は正にAI時代の化学・創薬関連研究のツールとして開発され、来るべきAI時代の先駆けとして利用されています。