インシリコデータ株式会社関連ブログ;Blog of the In Silico Data Ltd..

 ようこそ(株)インシリコデータブログへ。このブログでは、主としてインシリコデータのホームページでは直接編集できない細かな内容をフォローいたします。本ブログ内容等に関する質問/要望/意見等はこちらのブログか、インシリコデータのコンタクトアドレス(contact@insilicodata.com)にいただければ幸いです。
 なお、一部で著者の私的な情報に関する掲示板としても本ブログを利用いたしますが、この点お許しください。
 In this blog, I discuss and write various themes which I cannot edit on the
homepage of the In Silico Data. This blog also partly include a little personal themes.

2022/01/16

データサイエンスや人工知能の現在における大きな流れについて:
ブームから社会インフラへ

 昨年まではIT技術の広範囲かつ急速な進歩により、ビッグデータ時代が到来し、これに伴い大量のデータを扱うデータサイエンスそして人工知能等の技術が展開されてきました。この流れは強く、今後も続いてゆくものと考えます。

*過去におけるデータサイエンスや人工知能と歴史的な展開の流れ:ブームとしての流れ
 データサイエンスや人工知能技術に関する歴史は古く、コンピュータ技術の発展や展開とともに拡大してきました。しかし、その時々で新たな展開があり、そのたびに急速に発展しますが終息するのも早かったものです。データサイエンスではパターン認識の発展と終息、ファジイ理論の展開と終息、ニューラルネットワークの開発と終息と何度も繰り返されてきました。その都度新たな手法を学び、ソフトウエア等を開発し、実際に適用実験を繰り返してきました。人工知能もデータサイエンス同様に、何度も発展と終息を繰り返し、私もその恩恵にあずかり、システム開発を行い、終息の経験を繰り返してきました。
 このように、新展開と発展、そして終息を何度も繰り返してデータサイエンスや人工知能の展開が繰り返されてきました。このような経験を持つと、最近のデータサイエンスや人工知能の展開を見ても、ブームみたいなものでそのうち終息するだろうとみていました。

*現在のデータサイエンスや人工知能と歴史的な展開の流れ:社会インフラとしての流れ
 今回の流れは従来までのパターン(ブーム)と異なり、時代や社会の大きな流れとしてIT関連の様々なインフラやハード技術の高まりがあり、この流れの中で新たな時代にて重要な役割を果たす社会インフラとしてデータサイエンスや人工知能が受け入れられたものと考えられます。
 この結果、今回のデータサイエンスや人工知能の流れはブームではなく、社会生活やライフスタイルの変化に伴って受け入れられた必然的な技術(社会インフラ)になっていると考えます。従いまして、この流れは今後長期にわたり続くものと現在は考えております。

*化学分野での展開へ
 データサイエンスや人工知能の化学分野での展開は、他の分野同様に細々とではありますが、長期にわたり展開されてきており、現在も続いています。良く知られるように、化学、特に化合物を扱う技術はアナログ技術中心で、デジタルで扱うには様々な注意や工夫が必要となります。化学分野へのデジタル技術の適用は、この化合物操作に関するアナログ技術をデジタル技術でどのように扱うかを議論することに集中してきました。
 現在展開されているコンピュータ上での化合物展開は、昔から続く計算機化学という学問分野の研究成果の上に展開されています。これらの、様々な既存技術を理解することなく化学ソフトの構築や利用をすると、自分では気が付かない化学上での違反を起こしたまま化学研究を続けることになります。
 政府はデジタル教育の強化を発表していますが、単にコンピュータを使えるだけでなく、化学を理解してのコンピュータ技術という観点での教育も重要になると考えています。





2022/01/12

新たな「デルタクロン」株が発生したそうです

  オミクロン株の脅威が日本にも急速に押し寄せていますが、本日のニュースで米国での新規感染者数は140万人という驚異的な数字となっています。ウイルスの変異株が発生するのはウイルスのコピーミスや組み換え過程で発生しますので、患者数が多くなれば相対的に変異株の発生確率が増大します。このため、さらなる新規の変異株の発生が危惧されます。

 この事実を反映するかのように本日のニュース 日刊ゲンダイ(DIGITAL 2022/01/12 06:30)で、新たな変異株「デルタクロン」株が発生したとの報告がありました。この事実に対し、

「デルタからオミクロン株に優勢株が変わる過渡期で2つの変異の同時感染者が発生し、2つの変異ウイルスが再調合されたとみられる」と、韓国紙「中央日報」

 上記の報告と考察は妥当であるし、今後のウイルス対策で考慮すべき重要な観点を示している。いづれにしても、ウイルスとの戦いは続くことを考えたならば、ウイルスの罹患者数を増やさないことが新たな変異株の発生を防ぐことに繋がる。
 現時点の流れを見ると、オミクロン株の毒性の弱さや、重症化率の低さが前面に出てきて、罹患者が増えてもインフルエンザと同程度という極端な議論やイメージ作りがなされている。この考えの極端な事例が経済を考慮した「ウイズコロナ」という考え方になるだろう。 
 コロナ罹患者がたとえどんなに増えても恐れるに足らずという考えは極めて危険である。コロナの特性に加えて、一年前とは予防薬や治療薬もそろいつつありコロナへの対応は十分という考えも危険である。ウイルスが変わらなければ、確かに一年前と比較して医療現場の武器はそろいつつある。しかし、罹患者数を増やせば変異ウイルスも増えてくることを考えると、武器も新たな脅威に備えて変異ウイルスに対応できる強力なものを開発しなければならない。 

 新規医薬品開発にも今まで以上にスピードが要求されている。インシリコデータは化学分野のデータサイエンスや人工知能の適用研究を多数実施してきた。この実績や経験をもとに、化学分野のデータサイエンスや人工知能の究極の形である「オートノマス(自律型/化)化学:Autonomous Chemistry」を推進し、新たな脅威に向けて頑張ってゆきたい。





2022/01/07

関東地方が4年ぶりの積雪となりました。インシリコデータのベランダにも積雪があり、厚い氷が張りました。

  昨日、関東地方に約4年ぶりの多さとなる積雪がありました。習志野も昨日は午後から急に雪が強くなり、夕方にかけて約10センチ程度の積雪となりました。

 一夜明けた本日、インシリコデータのベランダを見ますと一面真っ白になり驚くほどの積雪量となっていました。夜に外を見ますと、雪は降っておりませんで星がキラキラと奇麗に輝いていました。これは相当冷えそうだな―と・・感じました。

 今朝の、インシリコデータのベランダの様子です。快晴で日の当たるところは雪が溶けつつありますが、日陰の部分にはまだまだ雪が残っています。

インシリコデータのベランダの様子です。

 また、昨日は相当冷え込んだせいか、ベランダに置いたポリバケツの水が凍り、厚い氷が張っていました。
バケツに張った氷の様子です。
 
 氷の厚さがわかるように90度回転させたのが上記写真です。暑さは約5センチ程度となっていました。相当冷えたようです。
 ベランダの花類は部屋の中に移しておいたので、元気です。雪が無くなったらまた、外に出して、いっぱい太陽の日を浴びてほしいです。




2022/01/01

新年あけましておめでとうございます! Wishing you a happy new year 2022.

謹賀新年

  今年もよろしくお願いいたします。


 コロナの無い日々を過ごせるようになりますことを願います。

 研究活動では、化学研究分野でのデータサイエンスや人工知能を積極的に展開し、チャレンジするべく努力いたします。




2021/12/15

タンパク結晶化を実用レベルにした技術の開発者である安達宏昭先生と話すチャンスを得ました:

 「第24回インターフェックスジャパン」にて、株式会社創晶の社長である安達宏昭先生と話すチャンスにめぐまれました。安達先生は創晶の基本技術であるレーザー光を用いたタンパクの結晶化技術を開発されております。この技術により、従来は極めて困難であったタンパクの結晶化を実用レベルのものとし、タンパクの構造決定に大きな役割を果たしてきました。X線結晶構造解析によるタンパクの構造決定には結晶化したタンパクが必須であったため、創晶の技術は極めて重要なものでした。

 創晶のタンパク結晶化技術は液状のタンパクにレーザー光を当てることであります。タンパクの結晶化は暗い場所で長期間静置することが常識であった私たちの頭の中では仰天動地の技術でした。即ち、レーザーを照射すればタンパクは変成して、結晶化どころか壊れてしまうのが常識です。しかし安達先生は、フェムト秒レベルでレーザーを照射することで、タンパクに刺激を与えて結晶化の切っ掛けを生じさせ、実用的レベルでの結晶化を実現されました。

 異分野の技術を導入することで、常識を覆して素晴らしい実績を残されたという点で、研究のブレークスルーには異分野の技術の融合がしばしば素晴らしい結果をもたらすということの大きな事例になります。

 現在はタンパク結晶構造の決定には「クライオ電顕」が用いられます。これにより、タンパクは結晶化することなく構造決定を実施できることが可能となりました。この成果により、2017 年にノーベル化学賞が3人の先生に授与されました。

 この事実を考えると、タンパクの結晶構造解析の主流はX線解析であることを考えれば、タンパクの結晶化を実用レベルにした創晶の技術もノーベル賞レベルかなーと考えます。なお、電顕では電子線をタンパクに照射することが必要ですが、単純に電子線を照射するとレーザー同様にタンパクが変成してしまいます。こちらは、結晶化せずにタンパクを水溶液の極低温・凍結状態で測定することでタンパク変成を解決して、構造決定に導いています。




2021/12/07

Merry Christmas and Happy Holidays

 メリークリスマス!!

 コロナ下で大変な一年となりました。今年は、学会、セミナーや会議もWEBで行うことが中心となり、新たな生活様式が始まり、徐々に常態化しつつあります。

 日本では、徐々にコロナが収まりつつあり、これに伴いオンサイトでの実施やWEBと併用するハイブリッド形式の学会も主催されるようになりました。オミクロン株の問題もあり、来年度はどうなるか予断は許さない状況ですが、今年も無事クリスマスを迎えることが出来ました。これも皆様のご支援のおかげと考えます。改めて御礼申し上げます。





2021/12/06

「オミクロン株は風邪ウイルスの遺伝物質取得の可能性=米研究」 との記事が出ていました:

  先のブログでオミクロン株の変異数は極めて脅威であり、従来の変異とかけ離れた事象であることを述べました。さらにこのオミクロン株には、遺伝子組み換えが起こっている可能性が示されました。

 本日の記事で、オミクロン株は風邪ウイルスの遺伝子の部分的な取り込みにも成功している可能性が報告されました。

 この取り込みにより、「風邪」のように感染性が高まるかもしれないが、一方で軽症者が増える可能性が出てきました。今後、オミクロン株が重症者を増やすか減らすかは詳細な臨床結果が出ないと分かりませんが、今回の報告は正に「ウイズコロナ」と呼ばれる生活が出来る可能性が出てきたことを示します。もし重症化しにくく軽症で済むということであれば、一刻も早くオミクロン株がデルタ株に置き換わることを願うばかりです。さらに、インフルエンザ関連の医薬品適用も考えられるようになり、治療や予防の選択肢も広がるでしょう。

 遺伝子の変異ということはなかなか発生しないのですが、異なる生物種の遺伝子の一部分の組み換えや消失、導入等は良く発生するし、人間はこの遺伝子組み換え技術を既に獲得しています。一般生活でも、様々な特性を持った遺伝子組み換え野菜が多数市場に出てきていることは既存の事実です。もちろん安全性等で様々な問題点はありますが・・。



 

2021/11/30

最近の状況から見て、SARS-CoV-2にはわからないことが多くなってきました

 昨今のSARS-CoV-2の様々な状況を見ると、私にとって分からないことが多くなっている。

なぜ日本の新規感染者数が急激に減少したのか?

 大きな疑問の一つは、日本での新規感染者数が想像以上の速さで減少したことだ。ワクチンの接種率が進んだためと、ワクチンの接種率と一緒に議論されるが、接種率の高い欧米や韓国等では新規感染者数が急速に拡大、上昇している。なぜ日本だけが?となる。日本に近い状況となっているのがインドである。一時は一日の感染者数が世界で最も高くなったのに、今は急速に減少しているという。インドのワクチン接種率はさほど高くはないのに・・。


オミクロン株の変異個所は20~30と言われる

 変異個所は通常1か所か、多くても2から3か所である。この常識からするとオミクロン株の変異個所が20~30か所というのは正に脅威である。このレベルの変異が続くようになれば、今回の戦いは永遠に続くようになるかもしれない。一回で総ての変異が起こったというよりは、変異を起こしやすい人がリレーのように変異株を引き継いで、最終的に数拾か所の変異となったと考えるのが自然だろう。このような人々の集団がいて、加えて感染しやすい環境があったのかもしれない。

 変異がスパイクタンパク部分だけでなく、その他の部分も大きく変化していれば単に感染力の問題ではなく、重症化率の問題にも影響が及ぶ。治療薬のメカニズムにもよるが、その効果にも大きな影響を及ぼし、治療自体の見直しや、ワクチンおよび医薬品の改良や再設計も迫られるかもしれない。



 

2021/11/18

CBI学会2021年大会での「計算毒性学」関連講演は盛況のうちに無事完了いたしました。

 CBI学会2021年大会での「計算毒性学」研究会主催および企画いたしました研究講演会は多くの方々の参加をいただきまして、盛況のうちに完了いたしました。ご講演いただきました諸先生方および熱心に討論いただきました多くの聴講者には改めまして御礼申し上げます。

 先のブログにもアップ致しましたが、「計算毒性学研究会」関連発表と致しましてフォーカストセッションを総計3セッション、また「計算毒性学研究会」に新たに設立されました「化学データサイエンスおよび人工知能の討論・勉強会」の立ち上げ会や、その関連チュートリアルとして1チュートリアルを企画いたしました。これらのフォーカストセッション(FS-03FS-07FS-08)およびチュートリアル(TS-02)には、予想を超える多くの方々の参加をいただきまして、計算毒性学やその基本的な研究手法であるデータサイエンス人工知能に対します皆様の期待の高さを強く感じました。



2021/09/16

安全性評価関連講演会(CBI学会2021年大会)関連情報

 CBI学会2021年大会が10月26日(火)~28日(木)にオンライン開催されます。

 CBI学会2021年大会のフォーカストセッションにて化合物の毒性(安全性)に関する研究発表が開催されますので、お知らせいたします。本フォーカストセッションはCBI学会に設立された「計算毒性学研究会」が主体、協賛して実施されます。

 講演は基本的にコンピュータを用いての毒性評価研究に関する発表となります。今後、毒性研究分野でもコンピュータを用いた研究が急速に拡大することは確実です。特にデータサイエンスや人工知能の急速な展開/発展は毒性研究分野にも大きな影響を与えております。最新の「計算毒性学」関連研究に興味を持たれる方々は、現在最先端を行く研究の講演を聴くことが可能です。是非参加されて討論ください。

詳細は以下をご参照ください。
FS-03: フォーカストセッション 2021 年 10 月 26 日 (火)15:00-16:30 
「 創薬の加速化を目指したインシリコ予測 ~若手研究者が拓く新時代~ 」
Accelerating drug discovery through in silico prediction

FS-07:  フォーカストセッション 2021 年 10 月 27 日 (水)15:00-16:30 
「創薬における WET 研究者と計算毒性学とのコラボレーション、 および最新の安全性評価研究と ICH M7 のチャレンジプログラム」
  Collaboration between WET researchers and computational toxicology in drug discovery, and the latest safety assessment research and ICH M7 challenge program 


*関連講演情報
 上記CBI学会2021年大会では、計算毒性学関連講演会として、現在急速に展開されている化学データサイエンスおよび人工知能に関するフォーカストセッションとチュートリアル(教育)が開催されます。化学関連研究にデータサイエンスや人工知能の適用を考えている研究者の方々は奮って参加ください。

FS-08:日時: フォーカストセッション 2021 年 10 月 28 日 13:00-14:30 
 「化学データサイエンスおよび人工知能討論、勉強会」立ち上げ会: 計算毒性学研究会主催
 "Chemical Data Science and Artificial Intelligence Discussion, Work Shop" Kick-off Meeting : Organized by the Computational Toxicology Study Group 

TS-02: チュートリアル 2021 年 10 月 25 日 13:00-17:00 
「半日で知る、化学分野のデータサイエンスおよび人工知能概要」: 
 「FS-08:化学データサイエンスおよび人工知能討論、勉強会」立ち上げ会協賛
 A Half-day Overview of Data Science and Artificial Intelligence in the Field of Chemistry: "FS-08: Chemical Data Science and Artificial Intelligence Discussion, Work Shop" Kick-off Meeting Sponsorship