インシリコデータ株式会社関連ブログ;Blog of the In Silico Data Ltd..

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2016/10/04

大隅良典栄誉教授、ノーベル医学・生理学賞受賞本当におめでとうございます。

  今年もノーベル医学・生理学賞を日本人が受賞したというニュースが報道されました。3年連続でのノーベル賞の受賞であり、これは日本の研究レベルの高さを世界にアピールするものと言えるでしょう。

  大隅良典先生の研究は生命の仕組みである「オートファジー」にチャレンジし、見事にその仕組みを解明されたものです。改めて生命の仕組みの巧妙さを実感すると同時に、その巧妙な世界にメスを入れてメカニズムを明確にすることに成功した大隅先生の研究に凄さを感じます。

  昨年は、大村智先生がノーベル賞を受賞されております。これは、大村先生が発見されたエバーメクチンを基本としてメルクの研究者によりイベルメクチンが開発され、アフリカで蔓延していたオンコセルカ症を防ぎ、アフリカに住む億単位の人々を救ったという実績からノーベル賞を受賞されております。

  大村先生の研究は自然界の微生物から薬物を発見し、薬という製品にすることで多くの患者を救ったという実用/応用研究が大きく評価され、受賞されております。今年度はいわゆる基礎研究であり、生体のメカニズム(生命現象)にかかわる内容を明確にされたもので、この先導的研究が評価されたものです。この点で、今後はこの生体メカニズムの「オートファジー」に関連する病気等の関連研究が急速に進み、多くの患者を救うという道に突き進むものと期待されます。
  
  大隅先生はバイオ関連の最先端のテーマでは競争が激しく、あえてその競争を回避して研究するべく、「オートファジー」にチャレンジされたと話されております。
  確かに、80年代以降現在に至るまでバイオ関連の研究では、研究競争が激しく、一日/一分/一秒でも早く論文を出すことが使命であるという風潮があります。進歩の激しいバイオ分野では全世界の研究者が日々成果を出すべく競争に励んでいるのです。iPS細胞の山中先生はノーベル賞を受賞されましたが、まさに同様な研究を行なう世界の研究者や研究グループとの熾烈な競争に打ち勝って獲得された金字塔となるノーベル賞です。

  今後とも、日本の多くの若手研究者の励みとなるような研究が、応用研究、基礎研究、そして熾烈な研究競争という3種類の典型的な形でノーベル賞に輝いたという事は本当に素晴らしいことと考えます。

2016/06/24

[訃報] 秋草直之富士通顧問が逝去されました:謹んでご冥福をお祈りいたします

 秋草直之富士通顧問が急性心不全のため、6月18日に逝去されたとの報道があり、富士通のWEBにも正式に掲載されました。77歳の若さでの逝去ということで、非常に驚きました。報道や広報によると、お別れの会が7月29日の12時ー13時、帝国ホテルの「孔雀の間」で開催されるそうです。

 ここに謹んで、お悔やみ申し上げます


 私が富士通に入社した時、秋草顧問は私が所属する第二システム統轄部の統轄部長になっておられました。先のブログにも書きましたように、 秋草顧問は「部下を信頼して任せる」というタイプの方です。優れた方々のサポートがあれば、周囲は動きやすい環境になるでしょう。私はそのように感じました。

 先のブログに、「稟議は、留学先で使っていたADAPTシステムを富士通の汎用コンピュータ上に移植するという内容でした。一通り聴き終えた後、余計なことはいわずに「大丈夫か」との一言。「大丈夫です」と答えたら、そのままOKとなりました。」と書きましたが、その時観ていただいた稟議書の表紙のコピーを以下に示します。


 文字が汚くて申し訳ありません。当時(昭和61年:1986年)は、ワープロではなく手書きでした。この表紙中、上部にある計画元の押印欄の統轄部長印が「第二システム統轄 部長 秋草」となっています。なお、この隣の部長欄の印は「第三製造工業システム 部長 黒川」となっています。この印は、秋草社長の後を継いで社長になられた黒川博昭社長の印です。当時は部長になられたばかりでした。この稟議書には二代続いて富士通の社長となられた秋草社長および黒川社長の印が押されています。

 私の仕事はコンピュータと化学、創薬、安全性を結びつける、当時の日本では殆ど実施されていない研究分野でした。富士通は、そのような分野にも積極的にアプローチしようとするチャレンジ精神に溢れていました。

 改めまして秋草相談役のご冥福をお祈りいたします。






2016/06/09

室屋義秀選手、エアレース優勝おめでとうございます

 今年もエアレース千葉に行ってきました。

 エアレース千葉のWEBのトップページを飾る写真のように、日本の室屋義秀選手が念願であった初優勝を致しました。
 昨年の千葉大会では、日本で開催された最初のエアレースであり、日本を代表するという事でかなりのプレッシャーがあったためか、積極的に攻めた結果、オーバーG(10G以上)となり、記録的にはトップレベルでしたが、レースは失格となりました。今回のレースは、昨年のリベンジであり、それを優勝という最高の花で飾った事になりました。


 昨年は、海浜幕張のベイタウンにある友人のマンションのベランダからレースの観戦を行ないまして、この様子を本ブログにて報告いたしました。マンションから観ると、レース会場全体が見渡せて、全体の状況や、レースの流れを俯瞰して観ることが出来たので、エアレースを最初に経験するには非常に良い環境であり、経験となりました。また、飲食しながら気楽に観戦できたので、楽しい時間を過ごすことが出来ました。

 昨年は、レース会場全体を俯瞰できる絶好の場所で、全体の雰囲気を知る上ではこれ以上の場所はなかったのですが、会場から少し離れているので、レースの臨場感に乏しい感じがありました。この観点より今年は、会場となった海浜公園で観戦しました。
 場所はBゾーンで、飛行機が侵入してくるスタート地点で、また飛行機が折り返してくる時に急激なUターンをする地点であり、最後のゴールにもなり、急上昇して離脱してゆく地点でもあります。 とにかく、飛行機を近くで観れるということ、そして爆音を体全体で感じたいという希望もあり、今年は会場からの直接観戦に参加しました。


 上の写真でもわかりますように、海岸の砂の上にそのまま座り込んで観戦します。しかし、実際に飛行機が飛んでくるとみな総立ちとなって飛行機が飛んでゆく様子を見ます。上記写真でもわかりますように、画面右の海の上にパイロンが浮かんでいる様子がわかります。また、会場のすぐ脇には大型のスクリーンが設置されており、レースの説明や実況中継等が大型のスピーカーで放送されています(次の写真)。


  この実況中継により、次に飛んでくる選手の名前がわかるので、応援のポイントがわかるようになります。室谷選手が次に飛ぶという事がわかると、飛行機が見えてくる前から室屋コールが起こっていました。 またこの実況中継ですが、時速やGの程度、競合パイロットとの飛行比較情報等も流れるので、飛行状態についての細かな情報が良くわかりますので、飛行観戦する方にとって極めて貴重でした。これが無いと、単に飛行機が凄い爆音を出しながら、近くを飛行しているという迫力だけで満足する事になります。まー、これだけでもすごいのですが・・・・。

 エアレースそのものは、スタートからレース終了までの時間を競うもので、大体1分4秒から6秒を競います。従って、レースが始まってから、レース終了まであっという間に時間が過ぎるのですが、その間に飛行機はレース会場を二回往復します。レースはあっという間に終了しますが、飛行機が近くを爆音を上げて急速に飛んでゆき、急旋回したりする様子は迫力抜群でした。

 レースも多くの選手が飛んでゆく過程で、中には急にコースから外れたりしてゆくケースもあるのですが、大画面スクリーンによる実況中継で、なぜ離脱したのか等がよくわかります。
 実際に、室屋義秀選手の記録がトップの状態で、この記録に挑戦する有力選手が飛んでいる時は、室屋コールと同時に、実況中継で、レース中に室屋選手がリードしたり、遅れている状態が放送されるたびに一喜一憂していました。最終的にその有力選手が負け、室屋選手優勝と放送されると、しばらく歓声が幕張海浜公園に響きわたっていました。

 

室屋義秀選手、優勝おめでとう。 素晴らしい思い出をありがとう。


 来年も参加して、応援します。



2016/01/04

◆ 新年明けましておめでとうございます


新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。

思えば、昨年は仕事面でいろいろなことをさせていただき、暖かい皆様のご支援を受けまして無事完了する事が出来ました。
改めまして御礼申し上げます。

仕事以外の面では、日本で初めて挙行されたエアショーを観戦する事が出来ました。あの爆音がまだ耳に残っています。
4月にはポールマッカートニーの東京ドーム公演に行き、青春時代に戻って楽しんできました。また、6月はN響のコンサートにゆき、11月にはミュンヘン交響楽団と辻井伸行の公演会に行き、辻井伸行のひた向きな姿勢に感動してきました。さらに12月には、N響による第9の演奏を聴き、年の締めくくりをしてきました。
また、ポルトガルで開催されたEUROTOX2015にポスター発表をしたので、ポルトガルのリスボンとポルトに行きました。帰国時に、イギリスにより、ロンドンの観光をしてきました。これらの様子は写真集として本ブログに掲載しております。

最近、ビッグデータやIoT等の言葉が使われるようになり、これにつれて大量データを処理する手法の一つとして、人工知能の適用が注目されるようになってきました。
ビッグデータやIoTは、従来とはスケールや内容等の観点でその規模や情報の広がり等が桁違いに拡大してゆく状態を想起させます。このデータ爆発ともいえる状態に対応するためには、従来とスケールが大きく異なる機能や能力を持った様々なハードやソフトの開発/展開/適用が必要となります。
現在は、特にハード的な進歩が速く、かつ大きいためビッグデータの種類、内容、スケールが急速に膨張し、それらの貯蔵庫ともいえるデータベース等の整備が喫緊の課題となっています。
大量のデータが蓄えられるようになり、そのデータの使い勝手も良くなると、次に問題となるのがソフトとしてのデータ解析/処理手法の展開です。データ解析/処理となると一般的に多変量解析/パターン認識が前面に出てきますが、今回は人工知能技術が大きく前面にでてこようとしています。
現在の人工知能技術は、従前より実施されてきたノウハウをルールとして用いるルールベース型人工知能と、ニューラルネットワークで代表される学習による知識獲得型の技術より構成されます。なお、スーパーコンピュータを用いてチェスやクイズゲームでチャンピョンになり、注目を集めるIBMのワトソンは意思決定支援システムであり、開発者は人工知能とは一線を画して考えています。

人工知能と化学の分野の繋がりは強く、歴史的にも人工知能の草創期から化学分野への適用が多方面で展開されてきました。これらの詳細は改めてアップ致します。

以上
2016.1-4
湯田 浩太郎