◆インシリコデータの今後の活動に関しまして:
インシリコデータの湯田は、大学の薬学部で薬学の基礎を学び、高野誠一研究室にて天然化合物(抗腫瘍性アルカロイド)の合成研究を行ないました。 この期間中、日本で最初に計算機化学(コンピュータケミストリー)を研究テーマに取り上げた故佐々木慎一先生(当時宮城教育大学)下に国内留学をし、計算機化学と化学多変量解析/パターン認識(ケモメトリックス)を学びました。その後、世界で最初に化学多変量解析/パターン認識(ケモメトリックス)研究支援システムのADAPTを開発したJurs教授の下に研究助手として留学しました。 Jurs研では、ケモメトリックスを化合物毒性評価(「芳香族アミンの発癌性評価」)に適用する計算毒性学を研究テーマとして研究し、また、ADAPTの部分開発も行ないました。
帰国後、豊橋技術科学大学に移られていた故佐々木教授の下でNMRデータベースの構築に二年ほど従事し、その後富士通に入社しました。 富士通では、化合物に関するインシリコ創薬や化合物毒性評価等の分野の研究支援を中心に活動してきました。 この過程で、日本での第5世代人工知能の時代にはルールベースによる様々な人工知能システムを開発しました。 この一つとしてQSAR手法のルーツとなるHansch-Fujita法の創始者である故藤田稔夫先生の発案による創薬支援人工知能システムであるEMILの開発も行なっております。 また、世界最初の商用化合物データベースとなるMACCSの日本での展開や、ADAPTの展開等を行なってきました。 このように活動は、インシリコによる創薬や毒性評価、物性デザインおよびバイオ関連研究を中心としておりました。
これらの活動実績を基本とし、現在起こっているITや化合物研究分野の大きな変化に臨機応変に対応する事を目指します。 今後は、化合物分野への人工知能適用を中心として活動してゆく所存です。
先のブログにも書きましたように、化合物分野への人工知能の適用には様々な解決すべき問題が存在し、これらへの挑戦は始まったばかりです。 インシリコデータはこれらの流れに乗り遅れることなく、現在までに学び、経験した様々な技術を駆使して時代の要求に答える人工知能システム構築の一助となるよう活動してまいります。
インシリコデータは、過去に湯田が開発したKY法に関して多数の特許を取得しております(富士通出願、湯田が発明者)。 今後は、化合物分野への人工知能適用に関する様々な特許の開発と展開を目指します。 また、現在までに行ってきた化合物に関する様々なインシリコ技術に関するノウハウを駆使してのコンサルタント業務も積極的に展開してまいります。
インシリコデータは、以下の二項目を中心に活動いたします。
1.化合物に関するインシリコ関連技術(特に人工知能)特許の開発と展開
2.化合物に関する様々なインシリコ関連技術に関するコンサルタント業務の展開
今年度も、よろしくお願い致します。
以上
湯田 浩太郎