◆ICT、ビッグデータ、IoTおよびAI(人工知能)の展開
情報という観点で現在の状況を見てみると、ICTやビッグデータという言葉が広範囲に広がり、これらに基づく基本的な展開が急速に拡大、日常生活に浸透している感じになっています。 この二つの言葉に加えて、ここ数年で急速に展開され話題になり、実態を伴ってきたのがIoTと人工知能で、特に人工知能の話はここ数年で多数報告され、一日のうちに数回は人工知能の言葉を聴いたり、印刷物を目にするようになりました。インシリコデータが昨年より参加させていただいている、経済産業省(METI)による「機能性材料の社会実装を支える高速・高効率な安全性評価技術の開発 -毒性関連ビッグデータを用いた人工知能による次世代型安全性予測手法の開発」(通称AI-SHIPSプロジェクト)も、化合物の毒性予測への人工知能技術の適用を目指しています。
◆現在展開されている人工知能関連に関しまして:
ICT、ビッグデータおよびIoTはコンピュータ(インシリコ)が及ぼすインフラに関する言葉であり、一方で人工知能は大きな適用技術を意味する言葉です。 これらは個別に展開されていますが、コンピュータ自体のハード上の様々な機能向上(メモリー、CPU、ネットワーク)が、これらの3技術項目を強力に支えているという事も加速の要因となっています。 現在展開されている人工知能はその基本技術や理論上の展開もありますが、現在の人工知能の展開を行なうに必要/十分な環境がインシリコ関連の3大環境技術 (ICT、ビッグデータ、IoT)の発展に伴い、充実してきた事も事実です。現在、急速に展開されている人工知能は深層学習を基本に展開され、画像認識や音声認識等の分野で輝かしい成果を成し遂げています。 これは、一昔前に脳の働きをシミュレートして展開されるニューラルネットワークが進化したものです。 現在の人工知能の急速な展開は、この深層学習により、従来は高い限界があるとされてきたことへの効率的な挑戦が可能になり、様々な分野で高い成果が期待できるようになってきたことです。 また、この深層学習を実施するに必要な環境(特にサンプルデータ)がICT、ビッグデータやIoT等の発展により整ってきている事も、深層学習を用いた人工知能開発にふさわしい環境を生み出しています。 これらのソフトウエア上の環境を支えるコンピュータのハード的な発展(CPU、メモリー、ネットワーク、他)も、現在の人工知能展開の大きな支えとなっています。 また、ソフトウエア的にはAPIが進歩しており、最新の人工知能関連ソフトウエアを言語レベルから展開することなく、機能単位のブロックを積み上げることで高性能の人工知能システムを構築する事が可能となっています。 さらに、時代の変化とともに、様々な解決すべき懸案事項が積み上がってきており、これらの問題が人工知能の適用により解決できる可能性が出てきたことも、人工知能の展開を促進するパワーとなっている事も事実です。 これらの展開は以下の5つの項目にまとめることが出来ます。
1.深層学習等の強力な学習手法の開発/展開があった。
2.ICT,ビッグデータ, IoT等の展開により、深層学習実施に必要な様々なデータが量的/質的、且つ内容的にも揃ってきた。
3.最新の人工知能を実施し、ICT,ビッグデータ, IoT等の展開を可能とするコンピュータ上での進歩があった。
4.API等の進歩や開発により、最新の人工知能技術の適用が、プログラム言語からの展開と比較して飛躍的に向上した。
5.現代社会の進歩により、人工知能の展開が必要/必須となる実需が出てきている。
以上
湯田 浩太郎
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