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2013/07/04

セミナーに出席して感じた事と考え(2):Impressions and my thoughts felt to attend the meeting (2)

第1回「p-Medicine時代の薬づくり ( Drug development of p-Medicine era ) 」

  本セミナーはサイバー絆研究所 (Institute for Cyber Associates, ICA) が主催するシリーズ研究講演会 Visionary Seminar「薬づくりの新しいR&Dモデルを探る」のセミナーとなります。今回はその最初の講演会となり、タイトルは「p-Medicine時代の薬づくり」です。
  セミナー自体は6月20日(木)に実施されましたが、その後仙台に帰って実家で作業をしたり、幾つかの会議等が重なり、時間が取れなく、報告が今日となってしまいました。

 セミナーですが、大きく二部に分けて構成されています。
 第一部のタイトルは創薬への情報計算技法の活用-これまでとこれからとして、以下に示す3つの講演がなされました。
 ①創薬におけるインシリコ(コンピュータ)技術の活用事例として、QSARをきれいに適用して抗がん剤の開発に導いた多田先生の事例。 創薬過程で発生してくる様々な問題を、数多くのQSARの経験と洞察を基本に解決してゆくことで創薬に結び付けるもので、QSARの真髄ともいうべき実例です。 大鵬薬品は開発されたこの抗がん剤の製造工場を約100億円かけて今年度中に建設するという発表をしました。 私は日経新聞で読みました。
 ②創薬研究を支援する基本となる様々な創薬支援データベースを創薬研究者の立場から行なっているという報告。 内容的には創薬や医療現場で起きつつある最新の研究に関する水口先生よりの発表。 トキシコゲノミクスPJの研究成果がデータベースとして新たに展開されていることも報告されました。
 ③石田先生はiPS細胞を肝臓へと導き、種々薬物との相互作用研究を日々行なっております。 この最新の研究発表と、今後の創薬の大きな形としてiPS創薬とインシリコ技術を結び付けた計算毒性学の展開を提案されました。 日本での計算毒性学発展のルーツとなれば素晴らしいと感じました。

 第二部のタイトルはp-Medicine時代の薬づくりとして、以下の2講演がなされました。
 ①オミックス医療を先導されている田中先生は、今後は個人のゲノム情報と生活環境を結びつけた総合的な医療を目指す事が大事であるという考えに基づいて活躍されております。 GET(Genomes x Environments = Traits)ということで、個人の生活環境を取り入れた網羅的な疾患解析の実現と今後の医療のあり方と研究事例について発表されました。
 ②神沼先生は、日常的に病気になるのを予防する3次予防の重要さを強調されました。 現在展開されている様々な医療関連技術を総合的にまとめ、同時に情報関連技術を3次予防の中に組み込んでゆく。 このような医療のあり方が今後の医療に大事であり、最終的には患者と医師や医療機関とのより緊密なコミニュケーションを実現した総合医療を目指すという提案をされました。

p-Medicine」という言葉を初めて聴かれる方も多いと思います。 この言葉については先の資料に概要が掲載されていますのでそちらを参照してください。


文責:
株式会社 インシリコデータ 湯田 浩太郎




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