インシリコデータ株式会社関連ブログ;Blog of the In Silico Data Ltd..

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2012/03/28

ICOH 2012 Congress 参加報告:Participate report of the 30th Congress of the International Commission on Occupational Health (ICOH) to be held in Cancum, Mexico, from Sunday, March 18 to Friday March 23, 2012.


  3月18日から23日にかけてメキシコのカンクンにて開催されたICOH 2012 Congressに参加してきました。
  今回はイタリアのMario Di Gioacchino教授から発表依頼を受けての参加で、以下のタイトルで講演してきました。

"Qualitative structure-toxicity relationships (QSTR) on skin sensitization"
Kohtaro Yuta1, Kazuhiro Sato2, Yukinori Kusaka2
1In Silico Data Ltd., Chiba, Japan, 2Department of Environmental Health, School of Medicine, University of Fukui, Fukui, Japan

     発表時に用いたPPTファイルはインシリコデータのホームページのPresentationsにアップしてありますので、ご興味がある方はそちらからダウンロードしていただければと存じます。
   今回私が行いました発表は皮膚感作性に関するインシリコ(コンピュータ)によるデータ解析に関するものです。福井大学医学部の日下教授および加藤準教授との共同研究です。本共同研究で私は、データ解析を担当させていただきました。
     本発表は、従来から使われていた多変量解析/パターン認識手法を用いたデータ解析では完全分類が出来なかったものが、KY法を適用することで完全(100%)分類を実現できたという報告です。
      様々な手法による分類結果:1から4までが従来手法で、5番目がKY法の分類結果です

クラス間の重なりが大きなサンプル空間の図です。従来手法による判別関数では線形/非線形にかかわらず”完全分類”の実現が殆ど不可能であることがわかります。

                   1.KY法の最初のステップ実施概念図です


            2.KY法の二番目以降のステップ(繰り返し操作)の実施概念図です

   上記1の基本操作を図2のように繰り返し行う事で、サンプル数の多少にかかわらず、またクラス間重なりが極めて高いサンプル群であっても常に完全分類可能となります。
  今回の発表でもわかりますように、KY法が本質的に有する分類能力は、他の従来から展開されてきた多変量解析/パターン認識手法とは比べ物にならないほどの極めて高い分類能力となります。KY法の詳細に関しましてはKY法のブログインシリコデータのホームページで見ていただければと思います。

    本学会は私にとりましては初めての参加となります。私のホームグラウンドはインシリコ(コンピュータ)によるドラグデザインや安全性評価、およびコンピュータケミストリーであり、今回のOccupational Healthの分野ではあまり活動はしてきませんでした。しかし、この分野でも今回発表させていただいた福井大学医学部日下教授との共同研究のように、データ解析の果たす役割が大きくなりつつあることを肌で感じています。データ解析自体もコンピュータの機能向上により、従来は実施困難であったことが実現されるようになっています。インシリコ(コンピュータ)関連技術がOccupational Health研究の大きな道具となることを期待しています。


ICOH 2012 Congressに参加した感想: 

  ICOH 2012 Congressは、従来私が参加していた学会と比較すると、その参加人数のみならず参加国の多様性等においてかなり大きな学会でした。正確な参加人数はわかりませんが、大きなカンクンセンターの4フロアすべてを用いて学会が開催されていました。

                     ICOHのWelcome Boardです

  化学会や薬学会の年会等と比較すると、学生や大学院生等が殆どいないため参加人数(三年ごとに開催され、過去の実績では約3000人程度参加するそうです)こそ及ばないものの、その参加者の殆どは第一線で研究されている方々や国の関連機関の方々が多く、その国籍の多様性は極めて大きく、全世界に及んでいると言えるでしょう。国籍の多様性を示すように、開催場所は5大陸の持ち回りだそうで、大陸単位に候補国を決め、最後に大陸間で開催地を決定するそうです。政府の関連機関などが参加して誘致合戦を行い、まるでオリンピックの開催国を決めるような感じです。ちなみに次回(2015年)は韓国のソウルと決まっており、今回の決定は次次回(2018年)の開催地ですが、モロッコのカサブランカとアイルランドのダブリンとで候補地を争い、最終アナウンスはダブリンでした。モロッコには次回に頑張っていただきたく思います。

              ICOH2015の開催国である韓国が出していた宣伝ブース

  国際学会の発表言語としての英語は変わりはないのですが、発表は同時通訳によりスペイン語に訳されます。私も、同時通訳付きの講演は初めての経験でしたので本当にビックリしました。発表中の様子を学会側がその写真を撮っており、その写真が木曜日のGalaDinnerの前に公開されました。私も写っていました。しかし発表中は夢中でしたので、こんなに近くで写真を撮られていることは知りませんでしたが、うれしい感じです。
                   発表しているときに撮られた写真です



文責:株式会社 インシリコデータ 湯田 浩太郎

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