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2012/04/03

ICOH 2012 Congress 参加報告(マヤ、ユカタン文明):Report of a participation in ICOH 2012 Congress : Culture of Yucatan

       講演を行った次の日、世界遺産となっているマヤ文明を代表するチチェン・イッツアー(Chichen Itza)に行ってきました。

*高速道路*

       チチェン・イッツアーはユカタン半島のほぼ中央に位置するため、海岸のカンクンからは高速で片道約二時間(約200Km)かかります。ICOH 2012 Congress の参加者が泊っているカンクンのホテル群を大型のツアーバスが巡り、参加者をピックアップしたのちにカンクンの市街地を抜けてからはひたすら走り続けました。高速といっても日本のように高速道とすぐ分かるように陸橋や土堤のようなものはありません。単にブッシュ(日本の林というよりはブッシュです)を切り開いた舗装道で、勾配のない道がひたすらまっすぐに続いています。途中の標識も殆どなく、レストエリアもなく、ひたすら走るだけです。日本人的感覚だと、これだけ平坦で大きく、ブッシュだけの平原であるならば開拓しやすいのになーという感じになります。山や谷等がない平坦な地なので、日本の表日本や裏日本といった気候の変化も少なく、ユカタン半島全体が同じような気象になっているものと思います。
カンクンと内陸部のチチェン・イッツアーを結ぶ高速道路の路肩の様子
ブッシュ、ブッシュ、ブッシュとひたすらブッシュが続きます。殆ど変化がありません

       しばらく走った後に、ツアーバスが高速らしきゲートを出ました。ここでいったんトイレ休憩(バスにはトイレがあったので、必要はなかったのですが、気分転換になりました)をしたのですが、その時の高速入口(カンクンにゆく方向)の写真です。カンクンの文字しかわかりません。カンクンから高速道に入る時はこのようなゲートはありませんでした。一般道からそのまま入ります。
他の道路との交差も殆どなく、分岐点もないので料金徴収はここ一か所でOKなようです。
途中で休憩を取った時の高速のゲート
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*バヤドリド:Valladolid*

       高速道路を出てから立ち寄った町(バヤドリド:Valladolid)です。中央の公園の脇に大きな教会がありました。メキシコはカソリック教徒の信者が多く、ローマ法王が歴史上初めてメキシコを訪問したというニュースが大きく報道されていました。
バヤドリド(Valladolid)の教会

       町は二階建のカラフルな家が続き、その一階に店が開いているという感じで街並みが続いています。店の間口は狭いのですが、一旦中に入ると広いなーという感じです。道路は公園周辺は対面交通がなく、殆どが一方通行でした。ここでは自由時間が45分あったので、リゾート地とは異なる一般の町や教会を散策し、メキシコの雰囲気を十分楽しむことが出来ました。
バヤドリド(Valladolid)の道路
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*チチェン・イッツアー(Chichen Itza)*

       バヤドリド(Valladolid)を出てからニ十分くらいでチチェン・イッツアーの遺跡に着きました。
       現地ではスペイン語のガイドと英語のガイドの二グループに分かれて見学しました。
   なお、チチェンとは「泉(井戸)のほとり」で、イッツアとは「水の魔法使い」という部族名のことだそうです。

*見ました!! 「ククルカンの降臨」*

       訪問した日は21日だったので、運よく春分の日と秋分の日にしか見られないという「ククルカンの降臨」(ウィキペディアより)と呼ばれる天体ショーを見ることが出来ました。その現象が見られるという時間の直前まで雲が多く日が照らず、下の写真のように影は出来ませんでした。これでは、ガイドさんが言っていた「非常に貴重な天体ショー」は見れないなーと殆どあきらめていました。
   ちなみにククルカン(Kukulcan、Kukulkan)とは、羽を持つ蛇であり、マヤ神話の至高神、創造神のことだそうです。
「カスティーヨ」の北面:雲のために影が出来ていない事がわかります

   しかし、予定時間の少し前になって急に日差しが出てきてはっきりと影が見えるようになり、全くラッキーにも「ククルカンの降臨」を完全な形で見ることが出来ました。
春分と秋分の日の一瞬にしか見られない「ククルカンの降臨」のショーの写真

       上の写真を見ると、階段脇にあるククルカン(蛇神)の頭部から日差しが階段のわきに沿って9段目の頂上まで駆け上がっている様子がわかります。9段目は細い光の棒のようになっており、これは短時間のうちに消えてしまい、その後しばらく待ちましたが二度と現れてきませんでした。
   春分と秋分の日にしか見られず、しかも完全な姿が見られるのはほんの一瞬と言える短い時間に起こる現象です。しかも、直前まで太陽が雲に隠れていたものが、その時間になって偶然に晴れ上がり、「ククルカンの降臨」を完全な形で見ることが出来ました。本当にラッキーでした。
   なお、写真には人が写っていませんが、この「カスティーヨ」の前面には約千人程度の人が集まって、この「ククルカンの降臨」の天体ショーを見ていました。

「カスティーヨ」の北面の堀にいたイグアナ:人を恐れません

「カスティーヨ」の北にある「戦士の神殿」

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   以上は「新チチェン」と呼ばれる遺跡群です。チチェン・イッツアーはこの「新チチェン」と呼ばれる遺跡群と、少し離れたところに「旧チチェン」と言われる遺跡群の二つから構成されています。  遺跡の作られた年代が少し離れているそうで、場所も少し離れたところ(歩いて行ける距離ですが)にあります。
   「旧チチェン」の遺跡群で大きなものはマヤの天文台である「El Caracol(エルカラコ)」があります。こちらの遺跡群には、この他にも「尼僧院」と呼ばれるものや「教会」もあり、これらの建物にはマヤ文字が装飾されていました。
天文台である「El Caracol(エルカラコ)」

「El Caracol(エルカラコ)」の前の広場:右の方に「教会」の一部が見える

「尼僧院」と呼ばれる建物

「教会」と呼ばれ、「尼僧院」の隣にあります

   古い観光写真等を見ると、これらの遺跡群には自由に登壇出来、頂上にある祭壇等を詳しく見ることが出来、周辺に広がるユカタン平原を見ることが出来たようです。しかし、残念ですが現在はすべての遺跡群は人が昇り降り出来ないようになっていました。
   太古の昔にこれだけの建造物を残し、非常に正確な暦まで作成していたという技術水準の高さに驚きました。それでいて生贄を神に供えていたという文明は、技術と精神との大きなギャップを強く感じました。

以上


文責:株式会社 インシリコデータ 湯田 浩太郎

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