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2012/06/22

Joe Paterno(ジョー・パターノ) アメリカンフットボールコーチ追悼会報告:Report of memorial service of PSU's american football coach Joe Paterno

Joe Paterno(ジョー・パターノ) アメリカンフットボールコーチ追悼会が6月9日(土)、事前のアナウンス通りに開催されました:(報告が遅れたことをお詫びいたします)

 今回はPSUのアメリカンフットボールチームを4大ボウルの全米一に導き、また自らも400勝という前人未到の勝利記録を達成したJoe Paternoコーチを偲ぶ会です。いつもはなかなか時間がとれず、PSUの総会等のこの種の集まりに参加できない方々にも貴重な時間を割いていただき、また遠方からも多数参加いただき、会はJoe Paternoを慕う人々で盛会となりました。特に今回の特徴としては、PSUを卒業したばかりの方や、PSUのアメリカンフットボールをこよなく愛する若い世代の方々の参加があり、会場は熱気にあふれていました。

 会場では、有志が持参したJoe Paternoに関する資料や記念品が展示され、PSUのフットボール試合のDVDが流されていました。また、Joe Paternoの葬儀の様子や生前の業績を偲ぶ動画がプロジェクターを用いて大スクリーンに映し出されていました。これらの動画を見れば、Joe Paternoがいかに素晴らしい実績を上げ、多くの人々に愛されていたかがよくわかります。ちなみに私の好きな写真はJoe Paternoが選手と一緒に走っているところを写したものです。年をとっても常に選手と一緒に行動する監督というJoe Paternoの熱意と魂が感じられます。
 会はPSCJ(Penn State Club of Japan)の阿部会長によるJoe Paternoにささげる黙とうより始まりました。参加した方々が会場の西洋(イタリア)料理を楽しみつつ、PSU時代のアメリカンフットボール試合の話や、Joe Paternoのフランクな気質、競技場の様子、ホームゲームの様子等の思い出話に花を咲かせつつ素晴らしく充実した時間を過ごしました。
 ちなみに、会場のグリルシャトーは創業50年という歴史を感じさせるよい店でした。

 以下に、当日展示された資料や記念品の写真を掲載しますので楽しんでください。
我らが愛するJoe Paterno

Joe Paterno関連の雑誌。ジョーイの本もあります。

会場で流されていたPSUローズボール決勝のDVD上映

 写真の二枚のTシャツはコーチPaternoへの感謝のTシャツです。
上の図柄はPaternoが試合の時にグレーのズボンと白ソックスにズック靴を愛用していたことで、この図柄となっています。

Joe Paternoが亡くなった時のTシャツです。

 PSU関連グッズとフットボールゲームで使うヘルメットです。帽子は優勝した時の記念帽子です。
ヘルメットは強化プラスティックなので昔と比べるとかなり軽くなっているという話ですが、私が持ってみるとかなり重いものでした。これらを被った山のような大男が体ごと突っ込んでこられては、こちらは簡単に吹っ飛んで、体自体がこわれてしまうなーという感じでした。

松村様持参の記念の盾ですが、裏にJoe Paternoの直筆のサインがあります。

 会では、今回アメリカから参加された古川様が、PSU時代のJoe Paterno話や、ニタニーライオンチームの試合をホーム試合でなく、アウエイでの試合に行った時に、敵チームのサポーターが大群衆で、帰るのも大変であった等の思い出話がありました。また、PSUのニタニーライオンチームをこよなく愛し、名古屋からこの会に駆け付けたというファンの方の素晴らしい話や、PSUを卒業して帰国して間もないという方からの最新の話があり、会場が盛り上がりました。こうした若い人たちにPSUの新しい流れや歴史を作っていってほしいと思います。

*会当日の写真は参加者にメールされていると思います。ここでは、プライバシーの関係からグッズおよび記念品の写真にとどめますので、ご了解お願いいたします。

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追筆:追悼会の前日にJerry Sandusky の裁判が始まったというPSUフットボールチームのスキャンダル放送がFENから流れていましたが、この原稿を書いている今も再びJerry Sandusky のニュースが流れました。本当に残念なことです。
 改めて、PSUのニタニーライオンチームがJoe Paternoを失ったショックから一日も早く元の元気を取り戻し、アメリカンカレッジフットボールの雄となりますように心より祈ります。


文責:株式会社 インシリコデータ 湯田 浩太郎


2012/06/21

予想外の副作用と年齢との関係:Unexpected relation between medicinal side effects and age

◆副作用と持病:Side effect and chronic disease

  副作用のない薬の開発は私の研究テーマですが、自分が副作用で苦しむとは夢にも思っていませんでした。しかも、年を取っていると幾つか持病を持っており、これが薬の副作用と相互作用して思いもかけない症状をもたらすとは本当に想定外の事実でした。
  今回私が経験したことは、年を取ると正規(?)の副作用以外にも持病との関連症状が出て、事態を悪化させる可能性があることを認識しなければならない事です。副作用のない薬の開発は、企業の創薬の観点からのみならず、持病を多く持つ患者(特に老人)との観点からも非常に重要な事です。健康な人であれば、純粋な副作用のみで終わることが、持病との関連で症状を悪化させたり、もともとの持病を再発させたりする事があることを考慮しなければなりません。これからの高齢化社会の創薬や治療では、このような事に関する最新の注意が必要になることを身を持って感じました。

◆薬効の強さよりも、やさしく安全な薬の重要性:

Importantness of drug safety, rather than strength of drug efficacy

  現在の新薬は、薬理効果が従来の薬よりも高いことが大きな開発目標となっており、これが新薬承認の条件となります。しかし、今回の副作用の経験から、そろそろこの観点を変えることが必要となっていると感じました。たとえ薬理効果が従来製品と比較して大きく変わらないにしても、持病を抱えて常に複数の薬物を投与している人には、安全な薬の方が重要であると感じました。あるいは、投与する時の医薬品の選択条件として、投与実績が多く、多くの人が安全であると評価し、歴史のある薬の選択が必要と感じました。医者も、新薬でその効果を期待するのではなく、多くの持病との関係を総合的に判断して、最終投与すべき医薬品群を選択することが、人にやさしい安全な医療という観点で重要となるのではないでしょうか。

◆今回私が経験した副作用:The side effects which I experienced this time

  今回私が経験したのは、もともと持病として心房細動を持っていましたので、脳血栓防止の目的でワーファリンを服用していたことに端を発します。その他、常用役として5種類ほど毎日服用しております。
 私は、無類の納豆好きであるのですが、ワーファリンの服用開始以後は納豆が食べられませんでした。時々、納豆禁断症状が出てきて、納豆を食べる(医者には内緒です)のですが、心配しながら食べるので、あまり満足できませんでした。こんな中で、今回用いた薬はワーファリンとメカニズムが異なるので納豆を食べても構わないとの話があり、去年からその新薬が上市されるのを楽しみにしていました。上市後、早速ワーファリンから新薬に変えてもらいました。一応、新薬の情報を調べ、現在服用している常用薬との配合禁忌の可能性をチェックし、その可能性はないことを確認しておりました。
  新薬に切り替えてから早速毎日納豆をたらふく食べて、その味を満喫していました。しかし、徐々に尿の色が濃くなり始めました。最初は、色もさほど濃くなく、少し疲れが出たのかなーという程度でしたが、徐々に濃い色となってゆきました。それでも、痛いところもないので疲れがひどくなったのかなーと思っていました。しかし、ある朝突然、尿の色が今まで一度も見たこともないコーラ色に激変したので、ビックリしてその日から投薬を中止しました。その結果、数日で尿の色が通常の色に変化したので、とりあえず、問題は解決かと思いました。

◆副作用による持病(尿路結石)の再発:

Chronic disease (urolithiasis) recurrence by the side effect 

  私は、尿路結石症を持病として持っております。今回はこの尿路結石症が副作用により再発してしまいました。尿自体の色は投薬を中止するとすぐに元の色近くまで透明になったのですが、同時に腹部から脇腹にかけての違和感と排尿の時の残尿感が残るようになりました。過去の経験からすぐに、結石が落ちてきたとわかりました。脇腹の違和感が徐々に背中に移動すると尿路結石症となります。いつ、石が落ちてきて、あの痛みが来るのかとハラハラし通しの日が続きましたが、ある日その石が出てきました。
  今回は尿路結石に最初にかかった時に石が出た時のような痛みはなく、比較的楽に出てきました。石がトラップできたのは、石が濃い焦げ茶色にコーティングされていたため、痛みはなくともすぐにわかりました。それでも、依然として残尿感があるので注意していたところ、4から5日たってから二個目の石が出てきました。こちらは、一個目よりもサイズが大きく、色が半分焦げ茶色で、半分が結晶特有の白色をしていました。

  左の石が最初に落ちてきたもので、サイズが小さく、全体が焦げ茶色にコーティングされていることがわかります。全体的に丸みをおび、サイズも小さかったので落ちやすかったのでしょう。右の石が二番目に落ちてきたものですが、最初のものよりサイズが大きく、半分程度がコーティングされ、手前の方はコーティングされず、白色でフレーク状の結晶の形がわかります。こちらは、形がデコボコして引っかかりやすく、サイズも大きいために落ちてくるのに時間がかかったようです。
  以前私が最初に尿路結石になった時に出てきた石は、全体が白色透明で針状フレーク型のきれいな結晶であったので、これと比較して考えると今回の石は血尿のショックで出てきたものであることは間違いありません。


◆持病と副作用が引き起こす二次症状:

Secondary symptom caused by a chronic disease and side effects

  そもそも今回の血尿という副作用がなぜ起きたのかわかりません。配合禁忌の医薬品を飲んでいたわけでもありませんし、この点は医者も調べていたはずです。今回の経験で、私として注目したいのは、副作用が引き金となり、もともと持っていた持病(尿路結石)が再発したことです。きっと持病を持っていない若い人が同じ副作用にかかっても、血尿だけで済んでしまうでしょう。しかし、持病を持つ人が副作用にかかると、持病との関係で思いもかけない症状を発症する危険性がある事を身を持って体験しました。

◆高齢化社会に対応した創薬と医療:

Drug discovery and medical care corresponding to the aging society

  時代が高齢化社会に移行しつつあり、医療費もこれに伴い急速に増大している現在、今回のように持病を抱えている患者への投与を安全に行う事の重要性を認識することが必要と感じました。
創薬自体も、薬理効果の高さだけを考えた創薬から、薬理効果というよりも安全性の高い薬を目指した開発が重要となるでしょう。また、安全性自体も単に副作用が出るか出ないかのチェックのみならず、副作用が出た時に、他の関連する病気との相互作用も考慮することが必要です。
  複数の持病を持っていることが多い老人は体力も弱く、副作用が原因となって他の持病関連の症状の悪化等につながり、余計な病気で苦しむことにつながる可能性があります。医者もこの点を考慮しつつ、単なる薬理効果の強さへの期待のみならず、患者の持病等も含めた総合的な判断を行い、安全な投与への配慮が大事となります。
 今後は創薬や投薬時に、配合禁忌のチエックのみならず、万が一副作用が起きた時に患者が持つ持病との関係についての考慮が必要になってくると考えます。


2012/04/20

Joe Paterno(ジョー・パターノ) アメリカンフットボールコーチ追悼会のお知らせ:Announcement of memorial service of PSU's american football coach Joe Paterno



◆ PSU(ペンシルバニア州立大学)の アメリカンフットボールチームを全米1に育て上げた故Joe Paterno(ジョー・パターノ)コーチ追悼会開催のお知らせです:
The memorial service for the American football coach (Joe Paterno) of PSU is held on the next schedule.


   以前報告いたしましたが、PSUのアメリカンフットボールチーム(二タニー・ライオン:Nittany Lions )監督でありました、故 Joe Paterno監督を偲ぶ会の日程と開催場所が決まりましたので報告いたします。以下に案内状を掲載いたします。案内状にもありますように、ニタニーライオンが泣いています。ふるって参加いただければと存じます。

お願いです:
    現在、PSCJ (Penn State Club of Japan) では、PSU(Pennsylvania State University:ペンシルバニア州立大学)関連の方々のコミニュケーションの場としての機能を充実させてゆきたく考えております。この目的でペンステーターの方々の名簿を作成しております。
    今回のJoe Paterno監督追悼会に参加されない場合でも、ご連絡先とメール登録いただければ、今後のPSCJの活動報告やペンステーター同士のコミニュケーションの場や機会を共有出来ますように努力いたします。是非、これを機会に登録お願いいたします。
    なお、登録は以下に記載されております追悼会案内メールの連絡先にお願いいたします。

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PSU日本同窓生の皆様

拝啓

 春たけなわの候、皆様にはますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
 さて、Penn State Club of Japanでは、去る1月に死去されたペンステートの偉大なフットボールコーチ、故ジョー=パターノ氏の追悼会を、下記の通り企画致しました。
 ペンステート所縁の我々が集まって、彼の足跡を偲び、業績を称え、そして元気をなくしたペンステートにエールを送ろうではありませんか。
 皆様のふるってのご参加をお願いいたします。ご家族でのご参加を期待しております。また、思い出の写真や品々がありましたら、お持ちください。皆で思い出を共有しましょう。


敬具

2012年4月吉日
Penn State Club of Japan(PSCJ)会長 阿部 弘、幹事一同




               記
ジョー=パターノ コーチ 追悼会

日時:2012年6月9日(土)、12:00~14:00
場所:グリルシャトー 東京、八重洲北口(徒歩約5分)
http://r.gnavi.co.jp/g037300/map/
〒103-0028 東京都中央区八重洲1-6-14
050-5798-1745(電話担当:古賀さん)
参加費:6000円 (家族3000円、 15歳以下無料)

プログラム(暫定):
1. 開会の挨拶、黙祷 PSCJ会長 阿部
2. 思い出の品展示 有志   PSU(フットボール)に関連する思い出の品の展示
3. 献杯 湯田
4. 戦歴紹介 古川 様 (米国より参加)

5. エピソード紹介 参加者   フットボールに関しての各自の思い出、展示品の説明
6. 次回総会の企画検討  参加者


     申し訳ありませんが、ご参加の可否を、5月18日までに下記までご連絡いただきたく、お願い申し上げます。また、ご参加いただけない方は、近況なりお知らせいただければ幸いと存じます。出来るだけ多くの方に連絡が取れますよう、心当たりの同窓生にこのメールの転送をお願い致します。また、ブログ、ツイッター、フェイスブック等のページをお持ちの方は、この会を案内していただけると幸いです。

連絡先 PSCJ  幹事長 谷 昌毅
メールアドレス   msh-tani@kxb.biglobe.ne.jp

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 ・古川様からの資料です。(Wikipedia上の資料を再編集の上使用)
*Head coaching record of the Penn State Nittany Lions by the late Joe Paterno
  Paterno had a career record of 409 wins, 136 losses, and 3 ties.[102] In his 46 seasons as a head coach, he had 38 winning seasons, one more than Bear Bryant. Based on the criteria used by the NCAA, Paterno holds the record for most victories by a Division I-A/FBS football coach, passing Eddie Robinson's 408 victories on October 29, 2011, against Illinois.
クリックすると拡大します

Bowls and championships of the Penn State under Paterno (Wikipediaより抜粋)
Paterno runs out with his team before the start of a game, September 2007
Paterno held more bowl victories (24) than any coach in history. He also topped the list of bowl appearances with 37.[18] He had a bowl record of 24 wins, 12 losses, and 1 tie following a defeat in the 2011 Outback Bowl. Paterno was the only coach with the distinction of having won each of the four major bowls—Rose, Orange, Fiesta, and Sugar—as well as the Cotton Bowl Classic, at least once. Under Paterno, Penn State won at least three bowl games each decade since 1970.
Paterno led Penn State to two national championships (1982 and 1986) and five undefeated, untied seasons (1968, 1969, 1973, 1986, and 1994). Four of his unbeaten teams (1968, 1969, 1973, and 1994) won major bowl games and were not awarded a national championship.
Penn State under Paterno won the Orange Bowl (1968, 1969, 1973, and 2005), the Cotton Bowl Classic (1972 and 1974), the Fiesta Bowl (1977, 1980, 1981, 1986, 1991, and 1996), the Liberty Bowl (1979), the Sugar Bowl (1982), the Aloha Bowl (1983), the Holiday Bowl (1989), the Citrus Bowl (1993 and 2010), the Rose Bowl (1994), the Outback Bowl (1995, 1998, 2006) and the Alamo Bowl (1999 and 2007).
After Penn State joined the Big Ten Conference in 1993, the Nittany Lions under Paterno won the Big Ten championship three times (1994, 2005, and 2008). Paterno had 29 finishes in the Top 10 national rankings.

関連写真へのリンクです:
*The late Joe Paterno のポートレート写真です 
*彼の銅像です
*彼が亡くなった時の銅像の様子です
     多くの人々にJoePが愛されていた様子がわかります。
*オールドメイン(Old Main)前に掲げられた半旗です
*Joe Paternoの追悼に、オールドメイン(Old Main)前に集まった人々です
*生前のJoe Paterno監督 ビーバースタジアムでの写真だそうです
*最大11万人が入れるというスタジアムです
  大学しかない小さな町にこれだけ大きなスタジアムがあること自体、私には驚愕でした。
  しかも、超満員になります。いったいどこから人々が湧いて出てくるんだろーと思います。

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2012/04/03

ICOH 2012 Congress 参加報告(マヤ、ユカタン文明):Report of a participation in ICOH 2012 Congress : Culture of Yucatan

       講演を行った次の日、世界遺産となっているマヤ文明を代表するチチェン・イッツアー(Chichen Itza)に行ってきました。

*高速道路*

       チチェン・イッツアーはユカタン半島のほぼ中央に位置するため、海岸のカンクンからは高速で片道約二時間(約200Km)かかります。ICOH 2012 Congress の参加者が泊っているカンクンのホテル群を大型のツアーバスが巡り、参加者をピックアップしたのちにカンクンの市街地を抜けてからはひたすら走り続けました。高速といっても日本のように高速道とすぐ分かるように陸橋や土堤のようなものはありません。単にブッシュ(日本の林というよりはブッシュです)を切り開いた舗装道で、勾配のない道がひたすらまっすぐに続いています。途中の標識も殆どなく、レストエリアもなく、ひたすら走るだけです。日本人的感覚だと、これだけ平坦で大きく、ブッシュだけの平原であるならば開拓しやすいのになーという感じになります。山や谷等がない平坦な地なので、日本の表日本や裏日本といった気候の変化も少なく、ユカタン半島全体が同じような気象になっているものと思います。
カンクンと内陸部のチチェン・イッツアーを結ぶ高速道路の路肩の様子
ブッシュ、ブッシュ、ブッシュとひたすらブッシュが続きます。殆ど変化がありません

       しばらく走った後に、ツアーバスが高速らしきゲートを出ました。ここでいったんトイレ休憩(バスにはトイレがあったので、必要はなかったのですが、気分転換になりました)をしたのですが、その時の高速入口(カンクンにゆく方向)の写真です。カンクンの文字しかわかりません。カンクンから高速道に入る時はこのようなゲートはありませんでした。一般道からそのまま入ります。
他の道路との交差も殆どなく、分岐点もないので料金徴収はここ一か所でOKなようです。
途中で休憩を取った時の高速のゲート
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*バヤドリド:Valladolid*

       高速道路を出てから立ち寄った町(バヤドリド:Valladolid)です。中央の公園の脇に大きな教会がありました。メキシコはカソリック教徒の信者が多く、ローマ法王が歴史上初めてメキシコを訪問したというニュースが大きく報道されていました。
バヤドリド(Valladolid)の教会

       町は二階建のカラフルな家が続き、その一階に店が開いているという感じで街並みが続いています。店の間口は狭いのですが、一旦中に入ると広いなーという感じです。道路は公園周辺は対面交通がなく、殆どが一方通行でした。ここでは自由時間が45分あったので、リゾート地とは異なる一般の町や教会を散策し、メキシコの雰囲気を十分楽しむことが出来ました。
バヤドリド(Valladolid)の道路
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*チチェン・イッツアー(Chichen Itza)*

       バヤドリド(Valladolid)を出てからニ十分くらいでチチェン・イッツアーの遺跡に着きました。
       現地ではスペイン語のガイドと英語のガイドの二グループに分かれて見学しました。
   なお、チチェンとは「泉(井戸)のほとり」で、イッツアとは「水の魔法使い」という部族名のことだそうです。

*見ました!! 「ククルカンの降臨」*

       訪問した日は21日だったので、運よく春分の日と秋分の日にしか見られないという「ククルカンの降臨」(ウィキペディアより)と呼ばれる天体ショーを見ることが出来ました。その現象が見られるという時間の直前まで雲が多く日が照らず、下の写真のように影は出来ませんでした。これでは、ガイドさんが言っていた「非常に貴重な天体ショー」は見れないなーと殆どあきらめていました。
   ちなみにククルカン(Kukulcan、Kukulkan)とは、羽を持つ蛇であり、マヤ神話の至高神、創造神のことだそうです。
「カスティーヨ」の北面:雲のために影が出来ていない事がわかります

   しかし、予定時間の少し前になって急に日差しが出てきてはっきりと影が見えるようになり、全くラッキーにも「ククルカンの降臨」を完全な形で見ることが出来ました。
春分と秋分の日の一瞬にしか見られない「ククルカンの降臨」のショーの写真

       上の写真を見ると、階段脇にあるククルカン(蛇神)の頭部から日差しが階段のわきに沿って9段目の頂上まで駆け上がっている様子がわかります。9段目は細い光の棒のようになっており、これは短時間のうちに消えてしまい、その後しばらく待ちましたが二度と現れてきませんでした。
   春分と秋分の日にしか見られず、しかも完全な姿が見られるのはほんの一瞬と言える短い時間に起こる現象です。しかも、直前まで太陽が雲に隠れていたものが、その時間になって偶然に晴れ上がり、「ククルカンの降臨」を完全な形で見ることが出来ました。本当にラッキーでした。
   なお、写真には人が写っていませんが、この「カスティーヨ」の前面には約千人程度の人が集まって、この「ククルカンの降臨」の天体ショーを見ていました。

「カスティーヨ」の北面の堀にいたイグアナ:人を恐れません

「カスティーヨ」の北にある「戦士の神殿」

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   以上は「新チチェン」と呼ばれる遺跡群です。チチェン・イッツアーはこの「新チチェン」と呼ばれる遺跡群と、少し離れたところに「旧チチェン」と言われる遺跡群の二つから構成されています。  遺跡の作られた年代が少し離れているそうで、場所も少し離れたところ(歩いて行ける距離ですが)にあります。
   「旧チチェン」の遺跡群で大きなものはマヤの天文台である「El Caracol(エルカラコ)」があります。こちらの遺跡群には、この他にも「尼僧院」と呼ばれるものや「教会」もあり、これらの建物にはマヤ文字が装飾されていました。
天文台である「El Caracol(エルカラコ)」

「El Caracol(エルカラコ)」の前の広場:右の方に「教会」の一部が見える

「尼僧院」と呼ばれる建物

「教会」と呼ばれ、「尼僧院」の隣にあります

   古い観光写真等を見ると、これらの遺跡群には自由に登壇出来、頂上にある祭壇等を詳しく見ることが出来、周辺に広がるユカタン平原を見ることが出来たようです。しかし、残念ですが現在はすべての遺跡群は人が昇り降り出来ないようになっていました。
   太古の昔にこれだけの建造物を残し、非常に正確な暦まで作成していたという技術水準の高さに驚きました。それでいて生贄を神に供えていたという文明は、技術と精神との大きなギャップを強く感じました。

以上


文責:株式会社 インシリコデータ 湯田 浩太郎

2012/03/29

ICOH 2012 Congress 参加報告(カンクン):Report of a participation in ICOH 2012 Congress : Cancun, Mexico


       ICOH 2012 Congress が開催されたカンクンはとても印象的な場所でした。カンクンについて私の感想を簡単に書いてみます。


*ホテルとビーチ*

       一応ICOH 2012 Congress に参加する前にカンクンについて調べてはいましたが、やはり本物は素晴らしいの一言に尽きます。
       海岸線で海に面したリゾート地は多くあるかと思いますが(私はあまりリゾート地を知りませんが・・)、大きく違うなーと思ったのは、通常は海岸線(ビーチ)に沿って道路があり、その内陸部にホテルや居住空間があるのですが、カンクンは逆です。地形的な事情もあるのでしょうが、道路が内陸(内海)に沿ってあり、ホテルが道路とビーチの間にあります。従って、ビーチは殆どがプライベートビーチのようになっています。この結果だと思うのですが、ハワイのようにビーチに人がうようよしているという事はありませんし、ホテルから直接ビーチに行くことが出来ます。
       ビーチとホテルの間には大きなスペース(中庭)があり、ここにはプールがいくつもありました。このホテルの中庭は昼も見ていて楽しいのですが、夜もきれいにライトアップされ、特にプールの青色がとてもきれいで別世界にいるような感じです。夜間は日差しがなく、また適度な気温で寒くもなく、風もありとてもさわやかです。ただ、ハワイと比べて若干湿度が高いなーと感じましたが、気になる程ではありません。ベランダに出てこの夜景を楽しみつつ、波の打ち寄せる音を聞きながら飲料水を飲み、講演の練習をするのがとても快適な時間でした。

ホテルの中庭の昼間の様子

ホテルの中庭の夜間の様子

ホテルから中庭のプール、そしてビーチへと続く様子

       ホテルはICOH 2012 Congress の会場であるカンクンセンターの隣にあり、本当に便利でした。また、ホテルロビーは6階建ての吹き抜けで、天井はきれいなステンドグラスで飾られており、昼間はこのステンドグラスからの光がロビーの床の大理石に反射して豪奢な感じを醸し出していました。

                                                     ホテルロビー天井のステンドグラス

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* ビーチ *

       海岸はコーラルビーチの名の通り、真っ白な砂浜で、かなり細かでモッチリした感じの粒子でした。この砂が海岸線(カリブ海)に沿ってあるせいか、海の色の青さが空の色にも負けない透明度の高いライトブルー(カリビアンブルーというそうです)でした。空が天上にも地上にもあり、一見すると連続しているような錯覚を覚える印象的な青さでした。ビーチ自体は色の白さのみならず、人があまりいないことと、常に整備されているせいか、海岸線特有のゴミもなく、また漂流物等もないきれいなビーチでした。不思議に、日本の海岸線で感じられる潮風の香りをあまり感じませんでした。 私は千葉の幕張近辺に住んでいますが、海から風が吹くときは潮風の匂いがします。

ホテルの前の白いビーチ

白いビーチからホテルの方を見た写真

ビーチの白い砂と波打ち際


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* ICOH 2012 Congress会場と会の催しもの *

     ICOH 2012 Congress が開催されたカンクンセンター(Cancun Convention & Exhibition Center)は四階建てのかなり大きな建物で、ホテルゾーンの中心に位置し、極めて便利な所にあります。この建物全体を使ってICOH 2012 Congress が開催されていました。
ホテルのアプローチから見たカンクンセンター

       ポスターも毎日100テーマ程が順次発表されており、講演が無い時間帯は人々が熱心に討論を行っておりました。
ICOHポスター会場

       一般公演もセッション単位で並行して行われ、カンクンセンター全体を使って数多くの討論が同時進行で行われていました。
ICOHの講演プログラムリストの掲示板

      ICOH 2012 Congress が開催された最初の全体講演は最上階の大会議室で開催されました。大型スクリーン5台を使っての講演で、写真は前回ICOHが開催された南アフリカ(2009年)のマンデラ大統領による大会へのメッセージが会場に流されていた時の写真です。

PLENARY SESSIONでのマンデラ大統領によるICOHへのメッセージのアナウンス

     ICOH 2012 Congress 開催の中日の夜にはCULTURAL NIGHTがあり、マヤ文明、特にユカタン半島での伝統的な宗教儀式での踊り等が披露されました。衣装や踊りもすごいのですが、音楽も強烈で強く印象に残りました。その後、カンクンセンターのベランダ的なところで、カンクンの夜景を楽しみながらビュッフェ形式の簡単な立食パーテイがありました。日差しがないだけ夜の方がすごしやすいので、快適でした。
CULTURAL NIGHTでのマヤの伝統的な宗教踊り

       木曜の夜にはGALA DINNERが開催されました。 この時、写真で見るとわかるように参加する外人の多くの方々は男性女性ともに少しフォーマルな正装をして参加していました。TPOがしっかりしているのだなーと感じました。

GALA DINNER会場へのアプローチ

       GALA DINNERでは正式なDINNER(メイン料理は魚料理でした)が提供され、大変おいしく食べました。フロア前の舞台にはバンドと歌手の方が音楽を演奏し、雰囲気を盛り上げていました。しばらくして会場の中央ではダンスが始まりました。最初は男女のペアで少し正式な形で、少数の人が踊り始めましたが、徐々に曲目もディスコ調のラフな感じの曲になってくると、多くの人が参加し始め、一緒に自己流のダンスをするようになりました。私も雰囲気につられ、いつのまにか家内と一緒に自己流のダンスを踊っていました。写真がありますが、この中には著名な方々が楽しそうに踊ってられます。私が参加する他の国際学会でも、このようなダンスが必ず行われます。日本人的な感覚ですと偉い先生方はダンスなどしないという感じですが、著名な先生方が年齢に関係なく率先して楽しそうに踊られる姿を見るのは本当に素晴らしく感じます。ヨーロッパ系の人々の文化の基本が、このようなダンスにあることを改めて感じさせられました。

GALA DINNERでのダンスの様子

次回は、ユカタン半島のマヤ文明のチチェン・イッツアに行った時の感想報告をします。


文責:株式会社 インシリコデータ 湯田 浩太郎


2012/03/28

ICOH 2012 Congress 参加報告:Participate report of the 30th Congress of the International Commission on Occupational Health (ICOH) to be held in Cancum, Mexico, from Sunday, March 18 to Friday March 23, 2012.


  3月18日から23日にかけてメキシコのカンクンにて開催されたICOH 2012 Congressに参加してきました。
  今回はイタリアのMario Di Gioacchino教授から発表依頼を受けての参加で、以下のタイトルで講演してきました。

"Qualitative structure-toxicity relationships (QSTR) on skin sensitization"
Kohtaro Yuta1, Kazuhiro Sato2, Yukinori Kusaka2
1In Silico Data Ltd., Chiba, Japan, 2Department of Environmental Health, School of Medicine, University of Fukui, Fukui, Japan

     発表時に用いたPPTファイルはインシリコデータのホームページのPresentationsにアップしてありますので、ご興味がある方はそちらからダウンロードしていただければと存じます。
   今回私が行いました発表は皮膚感作性に関するインシリコ(コンピュータ)によるデータ解析に関するものです。福井大学医学部の日下教授および加藤準教授との共同研究です。本共同研究で私は、データ解析を担当させていただきました。
     本発表は、従来から使われていた多変量解析/パターン認識手法を用いたデータ解析では完全分類が出来なかったものが、KY法を適用することで完全(100%)分類を実現できたという報告です。
      様々な手法による分類結果:1から4までが従来手法で、5番目がKY法の分類結果です

クラス間の重なりが大きなサンプル空間の図です。従来手法による判別関数では線形/非線形にかかわらず”完全分類”の実現が殆ど不可能であることがわかります。

                   1.KY法の最初のステップ実施概念図です


            2.KY法の二番目以降のステップ(繰り返し操作)の実施概念図です

   上記1の基本操作を図2のように繰り返し行う事で、サンプル数の多少にかかわらず、またクラス間重なりが極めて高いサンプル群であっても常に完全分類可能となります。
  今回の発表でもわかりますように、KY法が本質的に有する分類能力は、他の従来から展開されてきた多変量解析/パターン認識手法とは比べ物にならないほどの極めて高い分類能力となります。KY法の詳細に関しましてはKY法のブログかインシリコデータのホームページで見ていただければと思います。

    本学会は私にとりましては初めての参加となります。私のホームグラウンドはインシリコ(コンピュータ)によるドラグデザインや安全性評価、およびコンピュータケミストリーであり、今回のOccupational Healthの分野ではあまり活動はしてきませんでした。しかし、この分野でも今回発表させていただいた福井大学医学部日下教授との共同研究のように、データ解析の果たす役割が大きくなりつつあることを肌で感じています。データ解析自体もコンピュータの機能向上により、従来は実施困難であったことが実現されるようになっています。インシリコ(コンピュータ)関連技術がOccupational Health研究の大きな道具となることを期待しています。


ICOH 2012 Congressに参加した感想: 

  ICOH 2012 Congressは、従来私が参加していた学会と比較すると、その参加人数のみならず参加国の多様性等においてかなり大きな学会でした。正確な参加人数はわかりませんが、大きなカンクンセンターの4フロアすべてを用いて学会が開催されていました。

                     ICOHのWelcome Boardです

  化学会や薬学会の年会等と比較すると、学生や大学院生等が殆どいないため参加人数(三年ごとに開催され、過去の実績では約3000人程度参加するそうです)こそ及ばないものの、その参加者の殆どは第一線で研究されている方々や国の関連機関の方々が多く、その国籍の多様性は極めて大きく、全世界に及んでいると言えるでしょう。国籍の多様性を示すように、開催場所は5大陸の持ち回りだそうで、大陸単位に候補国を決め、最後に大陸間で開催地を決定するそうです。政府の関連機関などが参加して誘致合戦を行い、まるでオリンピックの開催国を決めるような感じです。ちなみに次回(2015年)は韓国のソウルと決まっており、今回の決定は次次回(2018年)の開催地ですが、モロッコのカサブランカとアイルランドのダブリンとで候補地を争い、最終アナウンスはダブリンでした。モロッコには次回に頑張っていただきたく思います。

              ICOH2015の開催国である韓国が出していた宣伝ブース

  国際学会の発表言語としての英語は変わりはないのですが、発表は同時通訳によりスペイン語に訳されます。私も、同時通訳付きの講演は初めての経験でしたので本当にビックリしました。発表中の様子を学会側がその写真を撮っており、その写真が木曜日のGalaDinnerの前に公開されました。私も写っていました。しかし発表中は夢中でしたので、こんなに近くで写真を撮られていることは知りませんでしたが、うれしい感じです。
                   発表しているときに撮られた写真です



文責:株式会社 インシリコデータ 湯田 浩太郎

2012/03/10

元富士通社長・会長・名誉会長、現顧問 山本 卓眞氏のお別れの会に行ってきました: I joined fairewel ceremony of the late Takuma Yamamoto, former president of Fujitsu

◇元富士通顧問  故山本 卓眞氏のお別れの会に行ってきました。

  昨日(3月9日)行われました山本卓眞富士通顧問の「お別れの会」に行ってきました。

  私は、このような大規模な葬礼に参加したのは初めてなので、まさにテレビで見ていた現場そのものを実感してきました。花の山の上段に大きな故山本卓眞顧問の写真があり、私も花を1本持ち、皆様と一緒に献花しました。

  祭壇の会場と、隣の「偲ぶ会」の会場を結ぶ通路には間塚会長と山本社長が立たれており、弔問された客の一人一人に丁寧に対応されていました。 もちろん、私もお話しさせていただきました。 
  会長と社長は、お別れの会の開催時間である12:00から13:00までズーット立ったままお客様に対応されていました。 ほんとうに大変だったかと思います。

  私が入社当時、間塚会長は営業部署にて勤務されており、化学系企業 (当時富士通は、化学系企業基幹システムで最大のシェアを持っていました) を担当されていました。 私たちが行う創薬や化学研究支援システムは、システムが研究所にあり、主担当ユーザが研究者です。このような形態は従来の営業パターンである本社基幹システムで、システム担当者を相手とする形態とは大きく異なります。 この点で、営業の方々はかなり戸惑われたかと思います。 しかし、従来は切り込むことが出来なかった研究所システムにチャレンジすることが出来る、というように前向きに考えていただき、間塚(当時課長だったと思います)会長含めて、営業部隊の方々にも積極的に支援いただいた事を記憶しています。

  「偲ぶ会」の会場では故山本顧問の写真が年代順に展示されており、富士通を立ち上げた多くの先駆者の方々の写真を実際に見ることが出来ました。 一応、社内報等で断片的に見ることはありましたが、年代順に、かつまとめて見るのは初めてでした。

  会場には多くの参列者の方々がおりましたが、残念ながら私の知っている人はおりませんでした。 一方で、先のWEBでも書かせていただきました秋草相談役や黒川相談役が会場におられました。二人ともお元気そうでなによりでした。  
  挨拶後、いろいろとお話しや情報交換等させていただきました。私が在職中なかなか立ち上がらなかった化合物安全性(毒性)が創薬のみならず機能性化合物開発でも急速に重要になっていること。 環境保護、そして政府規制という観点での化合物安全性(毒性)の立ち上がり。 動物愛護という観点で、皮膚関連研究での実験動物使用禁止が来年度から現実のものとなるため、インシリコ(コンピュータ)によるスクリーニング研究が重要になっているという、時代の変化について話しました。 
  もちろん、私も黒川相談役も現役ではないので、先のWEBにも書いたとおり徹底討論するわけでなく、単なる情報交換レベルでの話です。 なお、私は18日からメキシコのカンクンで開催されるICOHの国際学会で、皮膚感作性の構造-毒性相関についての依頼講演を行ってきます。 これは医療系の国際学会ですが、私が行うのは安全性(毒性)に関するテーマ(皮膚感作性)についての講演です。これに関しましては帰国後に本ブログにて別途報告いたします。
  私も黒川相談役ともに現役を引退していますが、現役時代には立場が違くなりすぎて話すこともできなかったのですが、このような形であっても直接話が出来るようになったこと自体、素晴らしいことと思います。 もっとも、現役時代には「黒さんメール」にてご連絡申し上げ、いろいろとご迷惑おかけしてしまいましたこともありましたが・・・・。この場を借りてお詫びさせていただきます。
  なお、私が入社した当時、故山本顧問が化学研究システムに大きな期待をかけておられたという話を黒川相談役から聞きました。 結果として、山元顧問の期待に答えられなかったことを本当に申し訳なく思っています。

  現在は変化の流れが速く、直近ではコダック、日本ではエルピーダ、一昨年はGMやクライスラーと、時代の変化に対応した変化がなければ、たとえ一時は長期にわたり世界一を誇った企業であってもあっという間に倒産する時代です。同時に、GMのように新しい時代に適応し、力強くリターンした企業もあります。富士通も時代の変化に遅れることのない企業体質をつけて、発展していただきたく考えます。
  日本では電気関連企業がのきなみ苦戦を強いられていますが、このような時代でも世界を見ると、アップル、MS、グーグル、インテルは史上最高や高収益を上げています。また、IBMも富士通よりも古い情報会社ですが史上最高益を上げています。是非、富士通にも頑張ってほしいと思います。


文責:株式会社 インシリコデータ 湯田 浩太郎

2012/03/09

これって本当ですか?: Is this nonsence or correct analysis?

◇ある学会で、こんな発表がありました。皆様はどう思われますか?: In a certain society, there was such a presentation. How do all of you seem? 

  ある薬理活性データ(薬理活性が有る(ポジ)か、無い(ネガ)かの二クラスデータ)を用いて判別分析手法を適用してデータ解析を行った。引き続き、この判別分析を行う過程で出てくる判別得点データ(連続変数)を目的変数として線形重回帰を適用したところ、高い相関式を得た。
  従って、この線形重回帰が有する情報は薬理活性の説明に使える重要なものである。このため、この解析で作成された重回帰式の解釈と、利用されたパラメータ中に存在する情報解析を行い、新たな知見を得たという発表でした。

  皆様は、なるほど新しい知見や発見が出きているんだなーーと思いますか?
  なんかすっきりしない、腑に落ちないことがありませんか? よく考えてみてください。

*ヒント:
  最初のサンプルデータは二クラスデータ、しかし判別得点は情報量の多い連続データ。
  一次元データ解析を行っていたら、二次元データが出きて、より高度な二次元解析を行えるようになりました、ラッキーというところですね。つまり、 何もないところから、何の根拠もないお宝がポット出てきて、しかも素晴らしい結果までプレゼントしてもらったということです。

*データ解析を実行できることと、データ解析に意味があるかという事は次元の異なる問題です。It is an absolutely different problem whether that I can carry out data analysis and results of the data analysis have a significant meaning

  データ解析を二段階にして使うときの危険性がここに含まれています。 別に、二段階適用を行っても悪いというわけではなく、たとえ二段階適用でも正しい使い方(例;主成分回帰等)はいろいろあります。 ただ、適切な適用の場合と不適切な適用の場合とがあるので、個々の多変量解析/パターン認識手法を組み合わせたり、段階的に適用する場合は注意が必要です。 
  現在は、プログラムを動かせば簡単にいろいろなデータ解析が出来る時代ですから、気軽に二段階や三段階等のデータ解析を簡単に行う事が出来るようになっています。しかし、このような複雑な操作を行うデータ解析では、そのデータ解析の本質をとらえながら慎重に行う事が大切です。

  これと同じ間違いが、私が博士過程で研究していた時にもありました。今は亡き、故宮下先生(豊橋技術科学大学)と一緒に、このような手順はおかしい操作であると議論していたことを思い出します。この問題は、データ解析の初心者がよく起こす間違いです。昔と異なり、現在はデータ解析を簡単に出来るようになっていますので、このような間違いを起こしやすいのでしょう。まさに、歴史は繰り返すですね。


文責: 株式会社 インシリコデータ 湯田 浩太郎

2012/03/05

「見せかけの指標」: The work front is bushed by "Showcase index"

◇ 「見せかけの指標」にこだわりすぎて、混迷している現場:The work front that it is too much particular about the "showcase index", and is stupefied


 昔、ある企業の生産工場から相談をうけました。私の活動している研究分野とは異なりますが、多変量解析/パターン認識という観点で相談に乗ってほしいということだったので、現場の研究者からその内容をヒアリングしました。

データ解析の実施目的は「生産の歩留まり向上」です。これを、1%でも良いから上げてゆきたいとの生産現場からの切実な声でした。製品の生産量が多く、単価が高いので、たとえ1%といえどもその効果はすぐ数億円の経費節減に繋がるとの話でした。

 話を詳しく聞いてみると、この生産現場の担当者が「見せかけの指標」にこだわりすぎていることがわかりました。生産現場での様々なノウハウを駆使し、歩留まりを下げる要因や、反対に上げる要因等を細かに洗い出し、これらを数値化し線形重回帰で相関係数を求めたところ80%を超えたレベルに達した。そこで、線形重回帰からニューラルネットワーク(NN)による非線形重回帰に変えてみたところ簡単に90%を超えたそうです。これはいけるぞということで、さらに相関係数をあげるべく、考えられる様々なパラメータを考案したり、NNのパラメータを最適化する等の工夫を行ったそうです。この結果、相関係数は98%近くまで向上し、これで大丈夫ということで実際の運用を行ったら、期待した歩留り向上が見られなかったとの話でした。

現在は98%で効果が無かったので、さらに99%を目指して追加パラメータを考案中との話でした。なお、CV(Cross Varidation)はちゃんと行っており、やはり結構高い値を実現しているとの話でした。

  これって、いったい何が起きているかすぐわかりますよね。先の「見せかけの指標」にばかりこだわりすぎて、正しいデータ解析を行うという基本を見失っていたためです。

  この現象は、先に投稿した内容と一見すると逆の現象が出ていますね。先の投稿では学会発表やパンフの指標が高いのに、実際に自分のデータを用いてデータ解析を行うと、そんなに高い値が得られないという事でした。これに対して、今回の投稿内容では、現場で行うデータ解析の結果は理想に近いほど高くまで上げているのに、実際の期待とは大きく離れてしまっているという内容です。
  しかし、よく見てみるとこれら二つの投稿の内容は全く同じです。「見せかけの指標」を非常に高い値まで持って行っていること。それと実際の現場での適用結果のギャップが大きいという事ですね。


文責: 株式会社 インシリコデータ 湯田 浩太郎

2012/03/01

学会発表/パンフの値と実際の実験の値の差:Differences between experimental value and value of the presentation at the meeting / pamphlet

◇学会発表やパンフレットで使われている分類率、予測率、相関係数、決定係数の指標はどうして高い値が多いのかなーー?:Why the value that a classification rate, a predictive rate, a coefficient of correlation and determination used by a presentation at the meeting and a pamphlet shows high and excellent value?


 いつも思うのですが、学会発表やパンフレットに書かれている分類率、予測率、相関係数、決定係数の値は素晴らしい値が多いと思いませんか。日常的にデータ解析を行っていると、学会発表やパンフレットで書かれている値を達成するのは至難の技で、かなり現実と離れた値ではないのかなーと不思議に思っています。
 ちょっとこの点について考えてみました。


* 学会発表やパンフレットの「見せかけの指標」と、現場で行う実際のデータ解析とのギャップはどこからでるのでしょうか?

 一般的に、学会発表やパンフレット等の広告では結構高い値が示され、その気になってしまいがちです。しかし、実際の現場で行うデータ解析では様々な条件からもっと低い値となるのが現状です。このように、現実のデータ解析と学会発表やパンフレットのデータ解析結果の値とのギャップが生じる大きな原因としては、データ解析の本質を無視し、「見せかけの指標」だけを良くすることに集中することの弊害と考えます。データ解析では様々な条件を変えて行うことが可能であり、意図的でなく、また本人が気付かないとしても嘘をつかずにかなり良い値を示すことは可能です。ちょうど、理想的な環境下での瞬間風速と、暴風雨の中での瞬間風速のような違いと言えるでしょう。どちらも瞬間風速であることには変わりありません。あるいは、サーキット上で500Km/h出せる車を一般道路で走らせると、急なカーブ、信号、通行人、でこぼこ等が邪魔して走れなくなり、このような道路では一般車の方が早く走れるようになる。こんな状態の方がイメージしやすいかもしれませんね。

 ちょっとフォーマルな形にしたい時は理想的な環境で実験を行い結果を出す。日常的に行う場合には現実的な環境下で、最悪の事態も想定しながら値を出すというシチュエーションの違いでしょうか? それとも、自分がやっている実験では技術が未熟なために良い値が出ず、これが原因で専門家が行った実験結果である学会発表やパンフレットと大きな差が出たのでしょうか?

 単に、発表やパンフレット等に用いられる「見せかけの指標」に頼ることなく、データ解析の本質を洞察出来れば、高い値になった理由がケースバイケースの様々な要因の結果なのか、あるいはこれらの総合的な効果により高い値となったかが見えてくるようになります。この種の悪しき事例は、世界的に公表されているパブリックで著名なデータベースでもしばしば見られます。この原因は、「見せかけの指標」重視のあまり、データ解析の本質がおろそかになったためと考えます。
 これらのアプローチの極端な例や、データ解析手法の基本的な戦略等の違いについて、その一部はすでにこのブログに書きましたので、もう一度確認してください。

・線形重回帰で常に相関係数(R)、および決定係数(R2)を1(100%)とするアプローチ
 フェイクパラメータの適用による完全フィッティングの実現

・サンプル空間に合わせて解析を行うアプローチと、サンプル空間を作り直すアプローチ
 科学に基づいたアプローチと、科学と関係のないアプローチ(線形及び非線形問題)
  (a) 二クラス分類手法
  (b) フィッティング(重回帰)関連手法

まだブログには書いておりませんが、上記の他にも「見せかけの指標」を向上するアプローチが種々存在します。無意識のうちに使っていることが殆どでしょうが、正しいデータ解析を行うためには重要なことですので、よく意識しておいてください。これらについては今後、このブログにて順次解説してゆきますので、興味のある方は注意していてください。
データ解析手法の差を論じるのも良いのですが、実際のデータ解析の現場では、厳しい条件下でも如何に正しいデータ解析を行うかを追求する方が大事です。

最近の学会発表では非線形解析手法の発展につれて、先に述べた「見せかけの指標」だけでは予測率とのギャップが著しいので、クロスバリデーション(CV:Cross Varidation)を行う事が一般的になっています。従って、多変量解析/パターン認識によるデータ解析を既に行っている研究者の方々は、自分はCVを出しているから、こんな「見せかけの指標」の問題はないと考えていると思います。しかし、このCVは単なるリサンプリングによる予測評価なので、CVといえども限界があります。これも、インシリコデータのブログで取り上げてゆく予定です。

 発表用の「見せかけの指標」を信じるだけだと、実際にデータ解析を行う時に苦労や失敗を繰り返すことになります。難しいかもしれませんが、実際に自分で内容を理解し、影にある見えない操作等のポイントを見ることが出来るようにすることが必要です。


文責: 株式会社 インシリコデータ 湯田 浩太郎